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2015-07-06 18:49:26
ザリガニ
都市部の子ども、特に男の子は、みんなアメリカザリガニとともに大きくなった(と思う)。
彼らは、まるでアクアセレクト採水地の三重県大台町とは正反対の、水質の劣悪なところにしぶとく棲息している。
そしてそのしぶとい生命力が、子どもたちを魅了し続けている(と思う)。
私の自宅に彼らがいない時期などなかった(事実)。
いつも彼らは私のそばにいた。
友人たちもそうだった(と思う)。
私の生まれ育った大阪市阿倍野区には、長池町やら桃ヶ池町などという町名があり、その名の示す通り「池」が多かった。
母校の名は「長池小学校」
その名の示す通り通学路上に池が多く、学校帰りだったかランドセルを家に放り投げてからかはさておき、いつもアメリカザリガニ釣りに興じていたのは言うまでもない。
ちょうどブラックバス釣りが流行っていた時代で、よく高校生の怖めのお兄ちゃんの釣り竿に、小学生の自作のザリガニ竿のタコ糸が絡まって、叱られた。同じように、ヘラブナ釣りをしているおっさんにも。
水面からわりと高い位置に柵があり、それを乗り越えて釣っていた。
一度池に落ち、通りすがりのおばあちゃんにものすごい力で引っ張りあげてもらい助けてもらったこともある。
スルメを掴んで水面に上がってくる彼らが本当に愛おしく、睨まれようが、叱られようが、罵声を浴びせられようが、池に落ちようが、そして親から「あんた何匹捕って来るの?」と言われようが、なにかに取り憑かれたように、アメリカザリガニを釣り続けた。
あの時代は、池の周りに多くの人がいた。
そして数少ない憩いの場所だった、そんな気がする。
真ん中の小2の息子が「ザリガニを捕りたい」というので、最近出来た公園に池があったなと思い、行ってみた。
入れ食い状態だった。
子どものザリガニが、まるでサクラエビ漁のようにピチピチ入った。
子ザリは離してやり、大きいのだけ持って帰った。
今日も元気に水草とスルメを食っている。
夕暮れどきの一番アメリカザリガニが捕れる時間帯なのに、だれもいなかった。
私が夕方遅くまで遊んだあの池の周りには、今でも多くの人が憩いを求めて集まっているのだろうか?
また行ってみたい。