ハムスターを買うことになった。

イモリの産卵用の水草を買いにホームセンターに行ったのだが、その売場に彼らはいた。

あまりの可愛さに、一瞬で子どもたちは心を奪われた。

運良く（運悪く）自分と上の子ども2人でホームセンターに来ていたため、相当長い時間、電話で家にいる妻を説得することになったのが、日頃の行いと照らし合わせると、いかにも分が悪い。

「自分たちで世話をするから！」「お年玉で買うしぃ〜！」「宿題も片付けも全部ママに言われる前にやる！！！」などなど、必死でありとあらゆる口上を述べた。

あまりの根気強さに、頑なに拒んでいた妻も「ホントに世話をしなかったら、近所のネコのエサになるよ」と、その映像を想像すると、トラウマになりそうな捨て台詞を口にしたが、結局は許してくれた。

で、ハムスターを選び、床に敷く木くずを買い、餌を買った。

一般的な飼育用具として、あのコロコロコロコロと、ハムスターが中に入って回す「回し車」は欲しい。

ただ、値段を見ると1,700円から2,000円もする。

世話をしないとすぐに追い出される約束だし、あまり初期投資が大きくなると、財布にも精神的にもダメージは大きいよなと子どもたちが判断し、買わずに帰った。

どうするか。作るしかない。

上の子が100円ショップでタッパを買い、設計図を上の子と一緒に書き、下の子が竹串を挿して、梱包用のビニル紐を結び、自作した。

それがこれ。

見てくれは良くないが、よく走る。

2匹が一緒に走っている様子など、可愛くてたまらない。

宿題は言われないとしないし、片付けも叱られてばっかりだけど、彼らは無事に、今日も元気に走っている。